はじまりの森のモンスター
はじまりの森のモンスター
◆概要
はじまりの森のモンスターは、はじまりの森で育ったモンスター達の総称である。はじまりの森を拠点とし、異世界をまたにかけて旅をする者達である。旅のために生きているといって過言ではなく、旅に関連する文化・技術力発展させ続けている。
モンスターには森生まれと外生まれの2種類が存在する。現状大変関係は良好で、生まれに関係なく協力しあいながら日々をおくっており、外生まれも上手に森生まれのモンスター達を模倣していることから、外部の者がみれば大した違いはみられないだろう。
◆特徴・生態
はじまりの森のモンスター
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共通の特徴
・姿
生まれた直後は浮遊する玉のような。色は個体によって様々である。これがモンスター達の本質的な姿である。複雑度も低い。
環境や好みに合わせて様々な姿に変身できる。変身にかかる時間や姿のバリエーションは個体によって異なる。複雑な見た目であるほど変身必要なエネルギーが増加する。
・大きさや重さ
消費エネルギーを確保できる限り自由自在である。
ただし、旅をする世界の環境や姿によって動きやすい数値は異なる。ぶらびずのような見た目で地球で活動するならば、おおよそ直径20~50mm・重さ15~50g前後が動きやすく、エネルギー効率もよい。大量のエネルギーを消費すれば極端な大きさ…例えば数千メートルと体調となるのも不可能ではない。
・性別
生物学的性別はない。個体によっては興味・好奇心等が要因で性別を自称することがある。 -
森生まれの特徴
・誕生
はじまりの森の巨木のシステムを利用し、ギューによって作成される。外なる守護者の劣化模倣品・改造品ともいえる。詳細はモンスター作成機能を参照。
稀に素材となったものの記憶を断片的に持つものが現れる。
知識らしい知識は特になく、好奇心と旅への意欲に満ち溢れている。
・寿命
寿命がなく、不老である。ただし、不死ではない。
怪我・病気・機能不全による暴走によって死を迎える。
・怪我・病気
怪我や病気は、異世界に渡ったり変身をしても、形を変えて維持される(例えば移動能力に関する部位を損傷し代替品で補った個体は、大宇宙向けの姿になると代替品は義足として表現される)。
森生まれのモンスター達の最大の死因は、冒険中の事故による死亡。特に多いのは、異世界間転送に関わる事故。モンスター達は経験を重ねるにつれて複雑度が高くなり、徐々に異世界間転送用ゲートを安全に作るだけのエネルギー量も多くなってくる。安全に渡れるだろうエネルギー量を致さずに無理に渡ろうとして危険な場所への誤転送や世界観物質内にとりのこされるなどの事故が起き、結果死亡することが少なくない。
・機能不全による暴走
極まれではあるが、制限されているはずの能力が開花・暴発、異世界を渡るためにため込んでいる高エネルギーの漏洩・爆発が起こるなど、意図しない暴走が発生する。このように貯蓄していたエネルギーが異世界間転送以外で急激に減少場合は暴走が起こったとみなし、強制的に残りのエネルギーを使って異常個体自身を凍結封印するよう設計されている。凍結封印されると、完全に動作不能になりエネルギーの漏洩もなくなる。凍結封印途中でエネルギーをすべて消費した場合は死亡する。
しかし、凍結封印にも異常があった場合は大抵死ぬまで暴走し続ける。状況や環境によっては大災害を引き起こしてしまう。
巨木のモンスター作成機能は現状不完全な状態であり、何より知的生物が通常創ることが出来ないはずの守護者を劣化模倣品として作成した結果である。
・エネルギーの摂取と貯蔵量
世界を調査・監視・干渉し変化させることでエネルギーを得る。正しく作られた外なる守護者と同じように世界存続システムから自動で必要なエネルギーの供給は受けているのだが、ギューがモンスターの核の作成時に身体・知的活動のレベルに合わせて得られる供給量をしぼるように調整されている。
はじまりの森に滞在しているときは、生命のゆりかごから自動的かつ生存に必要な分以上にエネルギーの供給があるため、無活動でも飢えることはない。
他、エネルギー源として、例えば地球ならば生物・電気・石油・マグマなど様々なものから摂取することはできるが、エネルギー摂取としては非効率である。嗜好品としては非常に好む個体がいる。
エネルギーの貯蔵量は個体差があるものの、しばらくの活動量と(現在主力のゲート生成装置利用時換算で)1~数回程度の異世界間転送を行える。
・異世界間転送
生まれつき独力で異世界間転送用のゲートを作成することができるが、不安定なゲートしか作ることが出来ず利用は危険を伴う。現在はトートアムというはじまりの森のモンスターによって構成された異世界間伝送グループによって開発されたゲート生成装置を利用して安全・安定的なゲートを作成し旅をしている。
・言語能力
言語能力は高く、簡単な日常会話(地球の人間でいえば初等教育程度)の聴く・見るなどの受信であれば短期間で習得可能。これは世界存続システムからの補助が働いている影響である。話す・書くなどの発信の習得については個体差が見られる。それ以上については、地球の人間と同様、努力や才能が必要となる。
・基本となる行動原理
ほとんどの個体が生まれながら好奇心旺盛であり、まだ見ぬ世界を旅をしたいと願っている。この共通の願いの元、モンスター同士は自然と協力しあう傾向にある。
若い個体は、純真で素直な性格のものが多く、あまり物事を深く考えない傾向がある。これはギューの設計の段階でなるべく思考を単純にして異世界間転送で不利になる複雑性が高くなるまでの時間を遅延させようとした結果である。これらのことから、若い個体は時折はケンカしつつも仲が良く、共に旅を好むモンスター同志という仲間意識が強い。ただし、素直で深く考えないからこそ、邪悪な思想にあっという間に傾く個体がいるのもまた事実である。
長く生き経験を積んだ個体は、物事を論理的に深く考える傾向がある。これは経験を積んで多角的に物事を見るようになったはもちろんのこと、若いころに衝動・感情的な行動で死ななかった幸運な個体が学習した、あるいはそもそもおとなしく思慮深さの素質がある個体が自然と選別された面がある。長く生きた個体は複雑性が高まるために異世界間転送が難しくなることもあり、旅ではなく知的活動や制作活動によって強い好奇心を満たしている。
仮に性格的に好奇心がそれほど強くなかったとしても、エネルギーを獲得するには身体・知的活動がある程度か活発でなければならず、効率よくエネルギーを獲得する為結果的に冒険をしたがる。
外生まれのモンスター達は生まれた場所が違うだけの仲間と認識している。 -
外生まれの特徴
・誕生
世界存続システムから正規で作成された外なる守護者。はじまりの森以外の世界で誕生し、森生まれのモンスターに見つけてもらうふりをして接触、はじまりの森へと招待され彼らの仲間となる。詳細は世界存続システムと守護者[外なる守護者]を参照。
個体差はあるが世界存続の任務に必要な知識や機能が組み込まれている。再構築に使われた人格となる素材の記憶を鮮明に受け継いでいる場合が多い。
・寿命
不老であるが寿命がある。寿命には個体差があり、それぞれ自身の寿命を認識している。死を迎えても、世界存続システムにより再構築されてよみがえった個体が存在する。
・怪我・病気
森生まれのモンスターをはるかに上回る身体強度があるので、めったに怪我や病気を患うことはなく、患うことがあったとしても回復力が非常に高く、短期間で健康な状態に戻ることが出来る。
・機能不全による暴走
なし。仮に外部影響によって強制的にそのような状態になったとしても、世界存続システムによって対策が施される。
・エネルギーの摂取と貯蔵量
生存や世界存続の活動に必要なエネルギーは、世界存続システムから自動で必要分供給され続ける。エネルギーの貯蔵量は森生まれと比較して格段に多い。
・異世界間伝送
世界存続システムによって、それぞれ何らかの安全な異世界間伝送能力を持っている。ただし、
・言語能力
森生まれを上回る言語能力がある。活動に必要な言語能力については世界存続システムから提供され、その言語を母語とする者が違和感なく会話できる。高度な専門用語については自力での学習が必要であり、取得までには個体差がある。
・基本となる行動原理
世界存続システムを不正に利用しているギューと、ギューが創り出した森生まれのモンスター達を監視、もし世界存続を脅かすことがあれば排除する為に創られたことを自覚しており、その使命を達成しようとする。
現状、ギューの目的や行動は世界を破壊することもなく、創り出された森生まれのモンスター達も世界にダメージを与えないわけではないが大局的に見れば世界存続に貢献していることがほとんどの為、今のところは監視、必要に応じて干渉という形にとどまっている。
基本的には、(個人的な内心はどうあれ)監視・干渉の継続のため、そして守護者の存在など余計な知識を与えぬよう、森生まれのモンスター達を模倣した姿や行動様式で、友好的な関係を築いている。
◆”モンスター”という呼称について
はじまりの森のモンスター達は自らモンスターと名乗っていたわけではない。
はじまりの森のモンスター達は、時に異世界に大きな影響を与えることがある。わかりやすい形であれば、暴走や力の差による物理的な世界の破壊、別世界から持ち込んだ価値観や文化による文化侵略などがそれにあたる。また、異世界間を渡り歩いたり、姿かたちを変えることなどの生態のありかたが、旅先の知的生物からすれば異様であることも少なくはない。
これらの破壊的、不気味、理解がたい者達という、地球でいうところの「モンスター」を意味する言葉で各種知的生物から呼ばれることが少なくなかった。
モンスターたちは、自分たちは変化を与える者であり、旅先の世界がより発展し面白くなるためにも変化があることは好ましいと考える者が多い。このため、「モンスター」という呼ばれることを好ましく思っており、誇りにさえ感じていた。いつからか、自らをモンスターと呼称することが根付いていった。
文化
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はじまりの物語
はじまりの森で語られるモンスター達の出生とその意味についての伝説。語るモンスターや時代によって差異はあるが、概ね以下の通りである。
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数多の世界の叶うことがなかった夢や希望のかけらが、はじまりの森の巨木の力で卵になる。その夢や希望が何だったのか、ほとんどの者は覚えていない。それでも、夢や希望というのはより良い未来への祈りである。それを受け継いだ自分達は、沢山の素敵な世界を観たい、悲しい世界があれば手助けをしたい、終わる世界があればせめて語り継ぎたい。だから冒険をしたいと胸を膨らませずにはいられないのだ。巨木はそんな自分達の冒険を応援してくれている。
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はじまりの森には異世界からの物品が降ってくること、ときおり前世と思しき記憶を持つものが現れることから、いつしかこの伝説が語られるようになになり、歌や踊りや本などの娯楽・創作の題材としても扱われている。
なお、外生まれのモンスターについては、強い夢や希望の大きな塊であったため、巨木の力を借りなくとも自力で形を成すことが出来たのだと解釈されている。
巨木からの応援というのは、巨木のエネルギー分配機能に対する解釈。巨木が常日頃エネルギーを与えてくれたり、異世界の植物等を育ててくれることにモンスター達は心から感謝をしている。
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”虹雲(にじくも)の先”
はじまりの森のある浮遊島の下は様々な色合いに変わる虹雲におおわれている。空から降る異世界の品々が吸い込まれていく場所であり、巨木の根が降りる先でもある。森生まれのモンスターたちは虹雲の先について何も知らないため調査をしている。今までに多くのモンスター達が旅だったがついぞ帰ってくる者はおらず、道具を使った調査も故障や消失するばかりで全く調査が進んでいない。
森生まれのモンスターたちは、虹雲の中にあるだろう場所に想いをはせており、様々な説が生まれている。
・モンスター達の親となる存在が住んでいる
・巨木に夢や希望を届けている者達がいる
・別のモンスター達が住んでいる
・まだ見ぬ冒険が沢山待ち受けているなどのモンスター達にとっての理想郷
他にも多種多様な説が存在する。傾向としてはポジティブなイメージ。調査に行ったものが帰ってこないのは、それだけ楽しい場所なのだろうと楽観的に考えているまたはそうあってほしいという願いからである。
虹雲の先の実態は廃棄場であり、廃棄場の特性上その領域に入ったものは独力で脱出することは困難であるために、誰も帰ってこず調査が進んでいないのは当然である。
外生まれのモンスター達は、森生まれのモンスター達に真実を伝えていない。世界の維持に貢献になるわけではないからだ。森生まれのモンター達が自力で真実を突き止めるまで、口を開くことはないだろう。
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園芸
はじまりの森のモンスター達が古くから楽しんでいる娯楽。記録媒体や道具の原料や実験用など実用品として栽培されているものもあるが、基本的には義務や労働ではなく娯楽として楽しまれている。また、更に発展し芸術作品として、嗜好品として楽しむものもいる。栽培されている品種ははじまりの森の在来種や、空から降ってきたもの、異世界からの持ち込み品もあり、それぞれを共存・掛け合わせるなどの技術も高度に発展している。
グループ
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トートアム(Tortourm)
はじまりの森のモンスター達の特に年長者で構成される、異世界間転送を研究するチーム。
その歴史は古く、主に経験を積み複雑性が高くなり異世界間転送が難しくなった者達を中心に、若い世代の旅のため、そしていつか自らがまた旅に出られるようになるために研究に勤しんでいる。
現在、はじまりの森のモンスターが利用しているゲート生成装置は彼らの研究の成果である。また近年では地球の人間の力を利用した低エネルギーで利用できる異世界間転送方法を研究している。 -
ぶらびーず(Brabies)
トートアムの異世界間転送研究の中でも、地球の人間達の夢や想像から発生するゲートを利用した異世界転送方法の実証実験に協力しているグループ。地球の人間達に対して友好的。
創設者は、ぶらびー(Brabie)。快活で冒険心あふれる、まさに森生まれといった性格のモンスター。
トートアムの人間達が開くゲートを利用した異世界間転送方法を知り、独自に人間達と接触・交流を始めた。ぶらびーは人間達から、人間に愛される姿・人間風の名前を考えてもらい、人間と交流するようになった。自分たちの存在を多くの人間に知ってもらうことで、トートアム達の研究を後押しし、新たな旅の扉を開こうとしている。
ぶらびーの活動に賛同した者達が徐々に集まり、創設者の名を冠したチーム”ぶらびーず(Brabies)”を結成。地球の人間達と交流をしたり、トートアムのゲート生成装置のテストに積極的に参加している。 -
サハーシャ(Sahasha)
ぶらびーずの一員でもある、うぃすてぃかるが運営する組織。世界平和の為に類稀なる智慧をもった生物を集める秘密結社。はじまりの森の中でもモンスター達があまり立ち寄らない場所に本部があり、いくつかの世界に支部がある。うぃすてぃかるは、知恵ある者達が異端者として扱われ、助言を否定されたり死に至らしめられたことで結果的に滅びてしまった世界を見たため、彼らを保護するための組織を設立した。
智慧ある者達の助言の中には、(その世界の常識において)希少な道具や生物などを必要とする場合もあるため、それらの蒐集なども行っている。
はじまりの森のモンスター以外にも、現地の協力的な知的生命体も組織員として活動している。 -
セブンズサンタ(Sevens Santa)
日本文化に染まったクリスマスの同好会。サンタクロースやトナカイに扮し、いい子たちにプレゼントを配ることを目標とし活動している。 -
トラ大好き同盟(Tora Daisuki Domei)
ぶらびーずに所属する多くのモンスター達が初めて地球におりたったのは日本では干支が寅年だった。このことからトラを知り、トラを愛する者達が、トラ大好き同盟を結成した。活動目標などは特にないが、トラにまつわるイベントなど情報を共有しあっている。