はじまりの森
はじまりの森
はじまりの森とは、世界の名称であり、またその世界に唯一存在する浮遊島の名称である。
そもそもは浮遊等の名称であったが、この世界における土地・生命体居住可能域はこの浮遊島だけであるため、世界の名称ともなっている。
◆住民
はじまりの森のモンスター
はじまりの森を活動拠点とするモンスター達。増減が激しいため正確な生息数は不明だがおおよそ数千匹は存在する。ギュー
はじまりの森のモンスターが現れる以前より棲んでいる人型知的生命体。魔法使い。掃除道具型使い魔
ギューが作ったはじまりの森の清掃用の使い魔。
◆名前の由来
名前の由来は、この浮遊等に古くから住んでいる住民ギューの母語より"アーカロプ(Arcarop)"、意味は「はじまりは常なり」。この言葉は暗に「終わりもまた常なり」という意味合いがある。つまり、常にすべての物事は終わりと始まりを繰り返しているということ。
ギューはこの世界が廃棄場と接続されていることと、廃棄場と世界循環システムの関係性を知っていることからこのように呼んでいた。
はじまりの森のモンスター達は、アーカロプの「はじまりは常なり」という表面上だけの意味だけを教えられ、いつしか"はじまりの森"と呼ぶようになった。現在は、「自分たちの故郷の森であり、冒険へと旅立つはじまりの場所」という意味としてとらえられている。
◆外観
地球の常識では考えられないほどの巨木が生えた浮遊島。様々な色に変わる空からは、廃棄物が緩やかに降り注いでいる。
巨木の葉は淡く光っている。巨木の枝の上には元々生息していた植物や、はじまりの森に暮らすモンスター達が異世界から持ち込んできた植物等が生い茂っている。収納スペースに改装された木のうろや、島内のあちこちにある建築物には、ギューが価値あるものと拾い集めた廃棄物やモンスター達が外部から集めてきたものが収蔵されており、さながら図書館・博物館・美術館を連想させるものとなっている。
浮遊島の下層からは輝く巨木の根がはるか下方へとのびており、途中で雲に隠れている。
浮遊島の下の雲の先はこれまで何度も森生まれのモンスター達によって調査されている。直接赴いた者達は帰っていない。彼らは雲の先にあるものについての実態を知らない。
◆歴史
とある世界の崩壊
とある世界に、生命のゆりかごと呼ばれたものあった。巨木のような見た目をしており、世界中に張り巡らされた光る根から常時少量のエネルギーを集め、新たに生まれてくる知的生命体に分け与える施設であった。
この生命のゆりかごの利用権を巡り国・民族が争った結果、この生命のゆりかごを残して知的生命体が滅びてしまい、その後世界崩壊。廃棄場へと落ちていった。ギューとモンスター
生命のゆりかごも廃棄場に落ちる寸前であったところ、たまたま別世界で廃棄されて死ぬ間際であった生命体ギュー・イ・ス・ターヴォが墜落してきた。死にかけていたギューを生まれ来る生命と誤検知し、保存していたエネルギーを与え、ギューは死を免れることとなる。ギューは元居た世界に戻るという目的をもって活動をはじめたためか、生命のゆりかごという世界の残骸はかろうじてではあるものの世界の体を成した。(とはいえ、その状態は非常に不安定である。通常世界というものは完全に独立したものである。他世界や廃棄場と常時直接接続されているいうことはまずありえない。しかしこの世界の一部は廃棄場と常時接続されている形となっている。この状態は現在も続いている)
ギューは長い時をかけて、廃棄物を回収し、必要な情報や資材を集め、これらを丁寧に収蔵しはじめた。そして、得られた知識から元居た世界を探索するために生命のゆりかごを改造し、異世界探索用の使い魔…はじまりの森のモンスターを作り出した。はじまりの森の現在
いつしかモンスターはこの世界を”はじまりの森”と、この巨木の名前は忘れられてただ”巨木””大きな木”などと呼ばれるようになった。
モンスター達はこの地を拠点として異世界へと旅をするようになった。あちこちの異世界で旅したモンスターは時々はじまりの森に帰り、憩いの場としている。また生まれたばかりのモンスターや、外からやっていた新参のモンスターに対して年長者が旅の教育を施す場ともなっている。
ギューは普段はモンスターの冒険譚を記録したり、廃棄物を選別し収蔵庫を作っては収蔵し続け、時折モンスター達に知られぬよう管理室に入りモンスターを適宜増やしている。
近年ではモンスター達の異世界間伝送技術が発展したことにより、非生命体のみならず簡素な生命体であればある程度運べるようになってきたため、異世界の生物たちも徐々に暮らし始めている。
巨木
浮遊島に鎮座する巨木は、はじまりの森の住民たちにとって欠かせない機能を有している。
森生まれのモンスター達にとっては故郷であり安らぎの場といった程度の意味合いでしかないこの場所には秘密が隠されている。
◆”生命のゆりかご”の改造
元々この巨木は世界中からエネルギーを回収し、新しく生まれ来る命に与えある程度自立できる程度まで成長させる機能を持っていた。
ギューは長い時をかけてこの巨木のシステムを解析。更に、巨木を廃棄場と接続しエネルギーと資材となる廃棄物を回収、加えてモンスター作成時には世界存続システムの守護者作成部分と接続できるように改造を施した。
◆管理室
巨木内部にある隠された部屋。
巨木の機能の利用や調整を行うための各種装置が設置されている。
巨木が"生命のゆりかご"と呼ばれていた時代、世界中からエネルギーを集め新たな命の育成のための施設だった。世界の生命の存続にかかわる最重要施設であったため高いセキュリティの元に運用されていた。その名残で管理室にたどり着くには様々な隠蔽や妨害を突破しなければならず、加えてギューの魔法による隠ぺいという二重の厳重な隠蔽がされている。
現在この部屋の存在を知っているのは、ギューと外生まれのモンスター(外なる守護者)のみである。
現状ギューの手のみで管理・運営がされている。
◆エネルギー・廃棄物回収機能
巨木から伸びた根は、浮遊島の下方の雲よりも更に遥か下方にある廃棄場へと延びており、利用可能なエネルギー・廃棄物を回収している。
エネルギー回収
常時利用されている機能。その回収量は適宜調整されている。廃棄物回収
探索用使い魔を作るために必要な廃棄物を回収する。
まだ生きている生命体・森生まれのモンスターは回収しないようにフィルターがかけられている。
◆エネルギー貯蔵分配機能
エネルギー貯蔵
回収したエネルギーは、主に葉、他幹や根元に貯蔵している。エネルギーを十分に蓄えた部分は淡く光る。エネルギー分配機能
貯蔵したエネルギーを分配。
分配先優先度通常以下の通り。
ギューへ生存+緊急事態に備えて大規模な魔法を使えるだけの予備エネルギー>モンスター製造・孵化>モンスターの生存
◆モンスター作成機能
異世界間転送のゲートを利用可能な使い魔…森生まれのモンスターを作成することができる。
使い魔の核を作ることが出来る者のみが制作可能なため、この管理室が発見されたとしても、少なくとも森生まれのモンスター達が即座に利用することは困難である。
モンスター作成手順
1.専用の魔法でのモンスターの核を作る。
廃棄物から選別した肉体・精神の素、更に本能ともいうべき基本的な行動パターン・能力の付与や制限を魔法で組み込み、合成し、核を作成する。
ギューが使い魔を作るとき、通常はこの時点で主人の認識と主人の命令に対する服従を組み込むが、森生まれのモンスターを作るときはこれを組み込まない。異世界に行くことを想定しているため、直接的に命令をできない状況でも自律的に行動できるように作られている。
出来上がった核の見た目は小さな光の粒で、脆弱に作られている。これは、ギューがコントロールできる範囲の強度でモンスターを制作するため、また、異世界間転送には複雑度が低い…つまりなるべく簡素なつくりの方が必要なエネルギーや事故リスクが減るためである。
2.モンスターの核を安置台に設置し卵殻に包む
光の粒を安置台に設置する。
この時点では外部刺激にかなり弱いため、余分な外部刺激を与えないよう、安置台が自動で核を地球の鳥類の卵殻のようなものに包む。
3.異世界間転送ゲート作成能力を付与する
世界存続システムの守護者作成部分と接続し、モンスターの核に外なる守護者の世界を渡る力を付与する。
4.核入りの卵を巨木の根もとに送り、孵化しモンスターが誕生する。
ギューが魔法で卵を巨木の根元へ送る。見かけ上突然根もとに現れる。巨木からエネルギーが与えられ、稼働が可能になると、中からモンスターが誕生する。問題点
この機能はまだ不安定な状態であり、特に世界存続システムを完全にハッキング・コントロールできているわけではないので、予期せぬ問題や課題点がある。
・非常に狂暴な個体が現れる
・想定外の能力を持つものが現れる
これらに関しては卵の時点でギューが選別し、看過できないレベルと判断したものは破壊している。
しかし、全てを正しく選別することがまだ不可能なので、孵化後に判明した場合はギューが暗殺している。それもかいくぐり異世界へと逃走し、その後の行方不明の個体が存在している。